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 1 立山連峰縦走    2 乗鞍高原と上高地    3 アルペンルート・黒部峡谷・白川郷   4 乗鞍岳・新穂高・高山
 5 穂高町・岩茸山ほか        6 入笠山・霧ヶ峰         7 八方尾根・栂池高原  


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   1 最後の北アルプス登山、立山連峰縦走 (88.8.1~8.3)

唯一写真の残っている北アルプス登山、退職の1年半前(58歳)に若い仲間と一緒に登った二度目の立山連峰縦走です。信濃大町から扇沢、黒部湖、黒部平、大観峰までは立山黒部アルペンルートのコースを辿りますが、このあと立山トンネルの中の雷殿でトロリーバスを降り、そこから中腹に出て2時間ほど登ると直接一の越山荘に着きます。ここからは快適な稜線歩きになります。今ではこのルートが通行禁止になり、室堂から登るしかないようです。30年以上経った今では記憶もさだかではありませんが、このときの山行は日頃の憂さを晴らすには十分過ぎるものでした。 


 千葉~(特急あずさ)~信濃大町~扇沢~(トロリーバス)~黒部湖~(地下ケーブル)~黒部平~(立山ロープウェイ)~大観峰~雷殿
~東一の越~
一の越山荘~雄山~大汝山~富士の折立~真砂岳~雷鳥坂~みどりが池~みくりが池~室堂~(立山高原バス)~美女平
~(立山ケーブル)~立山~(富山地鉄)~
富山~高山~名古屋~東京~千葉


 












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     1 大糸線信濃大町駅に到着        2 黒部ダムの通路上で            3 深い黒部峡谷を背にして
    4 黒部ダムの激しい放水           5 黒部平で                    6 雷殿~一の越間で一休み
    7 一の越山荘に到着              8 一の越山荘前から雄山方面       9 一の越山荘前から望む室堂平
   10 雄山頂上(3003m)に到着                    11 雄山付近で小休止、お茶の時間 
   12 立山連峰の最高峰大汝山(3015m)に到着
 



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    13 稜線上から雲涌く剱岳(2999m)を見る       14 爽やかな稜線で思わず!      15 岩稜のはざまで小休止
    16 富士の折立(2999m)で               17 通過した尾根をバックに       18 天空に立つ感じ
    19 真砂岳(2861m)付近の鞍部で          20 稜線を境に涌く山の雲         21 立山連峰を見晴らす
    22 雷鳥平への下山路                   23 室堂平、静かなみどりが池      24 怪異な伝説をもつみくりが池
 


                                                                                        
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2 乗鞍高原と上高地を歩き尽くす旅 (17.9.12~9.14)

この旅は、私の「終活ハイキング第一回」として計画しました。山という存在が私の人生に及ぼした影響の大きさはプロフィルにも書いた通りです。88歳を目前に控えて上高地を訪れてかつて歩いた穂高の峰々を目にすることは、これが恐らく最後になるであろうという思いが強く、急遽プランを作りました。半月以上にもなる異常な長雨の続く中、毎日のようにネットで上高地のホテルの空室をチェックしましたが、天候の動きとの兼ね合いが非常に難しいものでした。

結局、数日中にやってくる台風の動き具合からここがベストとの予想の下にホテルの予約に踏み切りました。前門の虎、後門の狼ならぬ前門の長雨、後門の台風、更に数少ない上高地のホテルの空室の減り方もからむので、これ以上ない難しい判断でした。
 


  千葉~(特急あずさ)~松本~(アルピコ交通上高地線)~新島々~(乗鞍高原)大滝入口~番所大滝~番所~休暇村乗鞍高原
~牛留池~善五郎の滝~乗鞍観光センター~親子滝~上高地~(梓川左岸路)~明神~明神一之池~(梓川右岸路)~明神二之池
~岳沢湿原~
上高地五千尺ロッヂ~(梓川右岸路→左岸路)~田代湿原~中千丈沢~大正池~(梓川左岸路)~上高地~新島々
~(アルピコ交通上高地線)~松本~(特急あずさ)~千葉 


      
 ① 乗鞍高原

この旅の主目的はあくまでも上高地を歩き尽くすことで、多少の魅力は感じていたものの乗鞍高原は脇役でした。乗鞍高原の番所大滝に着いた頃はまだ霧雨模様でしたがその後は徐々に天候が回復し、素敵な食事を提供してくれた休暇村で一夜を過ごし、翌日は牛留池から善五郎の滝などを回って早めに上高地へと向かいました。乗鞍岳の山上は9年前に歩き回ってます。(このページの4) 












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     1 松本駅のアルピコ交通上高地線電車               2 アルピコ交通上高地線新島々駅
     3 乗鞍高原行きバスの車窓から見る前川渡大橋と梓湖
      4 展望台から、激しく水しぶきを上げる番所大滝(落差40m、幅15m)
     5 千間淵遊歩道に架かる夢見橋                   6 豪華なバイキングが売りの一夜の宿、休暇村乗鞍高原
     7 牛留池付近に鎮座する奇妙な形の樹木「ねじねじの木」    8 晴天なら、昼は逆さ乗鞍、夜は満天の星を映す牛留池
     9 小大野川に架かる均整のとれた善五郎の滝(落差21.5m、幅8m)
     10 小さく目立たない木製のオルガン橋                11 のびやかに青い空を切る高原のシラカバ
     12 乗鞍観光センター前から見上げる乗鞍岳(3026m)
 


       ② 上高地・前半(左岸路~明神~右岸路~岳沢)

乗鞍高原を早めに切り上げたので、ホテルに荷物を預けてから早速出掛けました。夏休みが過ぎたせいかさすがの上高地も人の姿がまばらで、何よりも有り難かったです。穂高連峰縦走時に喜び勇んで仲間と歩いた懐かしい梓川の左岸路をのんびりと明神まで辿り、帰りは右岸路に移って嘉門次小屋や明神池に立ち寄りながら河童橋へと向かいました。途中にある岳沢からの下山路との合流点では、49年前に穂高連峰縦走後に岳沢を下った際の記憶が甦り、懐かしさに心がほのぼのとしました。 


   ※ 前半のルートは河童橋~明神間の反時計回り、後半のルートは河童橋からウェストン碑、田代湿原経由で大正池までの往復



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    13 上高地行きのバスから見る大正池と穂高連峰         14 槍ヶ岳、穂高岳への登山基地、上高地観光センター
    15 梓川の左岸から見る河童橋と穂高の峰々            16 河童橋のたもとから見る梓川と穂高連峰
    17 河童橋上から望む焼岳(2455m)                  18 河童橋のたもとから見る明神岳(2931m)
    19 河童橋のたもとから小梨平と梓川、穂高連峰          20 河童橋から明神、横尾、槍ヶ岳へと通じる梓川の左岸路
    21 梓川左岸路、明神への中間地点から明神岳           22 アルプス登山時に利用したこともある懐かしい宿、明神館
    23 穂高神社への入口明神橋と、背後に聳える明神岳       24 右岸路から振り返る明神橋
 



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     25 明神橋から穂高神社への参道             26 ウェストンを日本アルプスに案内した上条嘉門次が建てた小屋
     27 水面にさざ波すら立たない静寂そのものの明神一之池         28 明神二之池と背後に聳える明神岳
     29 明神から河童橋へと向かう梓川の右岸路               30 右岸路の途中にある小さな池(明神三之池?)
     31 散策の折、時折見かけるノコンギク             32 右岸路から望む難所の多い前衛の山、六百山(2450m)
     33 右岸路と岳沢からの下山路の合流地点                 34 岳沢湿原に遊ぶ水鳥と六百山
     35 岳沢ルートの末端付近から見る小梨平と明神岳     36 初秋の訪れを思わせるススキと夕暮れを待つ穂高の峰々
 


       
③ 上高地・後半(右岸路~田代湿原~大正池~河童橋)

この日最高の見ものは日の出とともに移り変わる穂高連峰と焼岳の表情です。これだけは上高地に泊まらなければ絶対に見ることができません。がらがらの河童橋からこの両者が日の昇るとともに表情を変えていく有様を、心ゆくまで鑑賞できました。

その後は前日同様のんびりと南へと梓川に沿ってのハイキングです。ウェストンのレリーフを経て田代湿原へ、更にその昔焼岳が造りだした大正池へと快晴の下自由気ままに歩きました。大正池の魅力を高めていた枯れ木の林立が少し減ったようでしたが、やはり自然の成り行きなのでしょう。
 



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    37 早朝6時、さすがに人影もまばらな河童橋                38 朝靄に霞む小梨平と穂高岳沢方面
    39 稜線が朝日に染まり始めた西穂高岳(2909m)と奥穂高岳      40 こちらもお目覚め、河童橋から望む活火山焼岳
    41 日差しを得て刻々鮮明になる河童橋からの眺め           42 快晴の下、河童橋から見る穂高の峰々
    43 正に絵葉書そのもの、河童橋からの梓川と穂高連峰        44 河童橋から、すっかり目覚めた焼岳とと梓川
    45 河童橋から大正池方面に向かう梓川の右岸路           46 清流梓川に沿って快晴の中をひたすら歩く
    47 日本アルプスの父、ウォルター・ウェストンのレリーフ           48 ウェストン碑付近から眺める六百山方面
 



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     49 山の神付近から望む吊り尾根~前穂高、明神岳  
      50 穂高橋から見る奥穂高岳(3190m)、前穂高岳(3090m)と吊り尾根
     51 田代橋から大正池への道                  52 上高地自然研究路林間コースの木道
     53 田代湿原から望む穂高連峰                  54 色づき始めた田代湿原から前穂高吊り尾根と明神岳
     55 田代湿原から大正池への道                  56 砂礫に埋め尽くされた中千丈沢押し出し
     57 中千丈沢から北アルプス唯一の活火山焼岳       58 1915年の噴火で梓川をせきとめ大正池を出現させた焼岳
     59 秋の気配が忍び寄るトロイデ型火山焼岳 
      60 湖中に立つ枯れ木の減少で典型的な風景が崩れつつある大正池
 



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     61 中千丈沢から見る六百山方面                  62 絶えず噴煙を上げ、最近幾分活発化している焼岳
     63 上高地バスターミナル付近の梓川河畔から、西穂高、奥穂高と岳沢
     64 上高地バスターミナル付近の梓川河畔から河童橋と明神岳
     65 「山の日」制定記念に設置されたモニュメント           66 新島々駅に到着した上高地からのアルピコ交通バス
 


登山の場合も含めて上高地自体を目的にした旅は一度だけで、それも松本に2泊しての日帰りのみでした。あとは他の目的地への中継点として短時間立ち寄ったくらいで、ゆっくりと上高地だけを隅から隅まで歩いてみたいというのが私にとっては年来の願いだったのです。こうして快晴に恵まれた2日間(実際は1日半)北は明神から南は大正池までくまなく歩くことができ、これ以上喜ばしいことはありません。 


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   3 山と渓谷と世界遺産を巡る旅 (09.10.29~10.31)

21年振りにアルペンルートを訪れる旅ですが、信濃大町での電車からバスへの連絡の厳しさがあるため最初に乗る特急あずさが順調に走ってくれることだけを願っていました。と言うのは、中央線の都内部分ではよく人身事故が起こり、その都度長距離列車の遅れや運休があるからです。一年前は同じあずさが2時間遅れて予定とは別のルートで目的地に行くことになりました。ルートが一つしかない今回は、同じ羽目に陥ったら悲惨な旅になり兼ねないからです。幸い何事もなく1分の遅れもなく信濃大町に到着し、予定したバスで扇沢に向かうことができました。

このような心配の種はあっても、中央線や大糸線の旅は大好きです。甲府盆地に出た後は南アルプスや八ヶ岳、大糸線では北アルプスが姿を見せ、山さえ眺められれば幸せという私は中央線と聞いただけで心が躍るのです。

僅か二泊三日でアルペンルートと黒部峡谷、更に白川郷まで足を延ばす欲張りの旅ですが、これと言ったトラブルもなく無事に終えることができました。やはり一度は訪れておきたい所です。
 


  千葉~(特急あずさ)~信濃大町~扇沢~(トロリーバス)~黒部ダム~黒部湖~(地下ケーブル)~黒部平~(立山ロープウェイ)
~大観峰~(トロリーバス)~室堂~みくりが池~室堂山荘~室堂~(高原バス)~美女平~(立山ケーブル)~立山~(富山地鉄)
~富山~
アパホテル富山駅前~富山~(富山地鉄)~宇奈月~(黒部峡谷鉄道)~欅平~猿飛峡~欅平~(黒部峡谷鉄道)~宇奈月
~(富山地鉄)~富山~(特急ひだ)~高山~
ベストウェスタンホテル高山~高山~白川郷~高山~名古屋~東京~千葉 


       ① 立山黒部アルペンルート(信濃大町~大観峰)

                                            

 


                                             

 黒部ダム駅から展望台まで220段の階段があることはこのとき初めて知りました。第一回の立山連峰縦走のときは、一の越山荘へと先を急いだので寄らなかったのだと思います。展望台から100段ほど降りると展望広場ですが、放水にはお目にかかれませんでした。

大観峰まで登るとさすがに見晴らしがよく、目前の後立山連峰はもちろん遠く白馬連峰や鹿島槍ヶ岳まで望むことができました。本来なら双耳峰の鹿島槍ヶ岳が方角の関係でとんがり頭に見えるのも珍しく、30分はあっという間に過ぎてしまいました。












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      1 信濃大町駅に定時に到着した千葉発の特急あずさ3号     2 北アルプスへの玄関口、大糸線信濃大町駅
     3 扇沢への貴重な足、ハイランドエクスプレス            4 扇沢へのバスの車窓から望む雪を戴いた爺ケ岳(2670m)
    5 黒部ダム方面への玄関口、トロリーバス扇沢駅          6 黒部ダムへの唯一の足、関電トンネルトロリーバス
    7 黒部ダム駅に到着した関電トンネルトロリーバス           8 難工事が偲ばれる、黒部ダム展望台付近の岩壁
    9 黒部ダムの展望台から、黒部湖と遠い赤牛岳(2864m)    10 黒部ダムの展望台から、巨大なダム上を歩く人々
   11 黒部ダムの展望台から見上げる立山連峰主脈        12 黒部ダム上から望む白馬連峰と五竜岳(2814m)
   13 黒部ダム上から、深い黒部峡谷をのぞき見る          14 かつての峡谷の深さを偲ばせる黒部湖の汀
   15 ダムから地下ケーブルで到達する黒部平(1828m)      16 黒部平から望む針ノ木岳(2821m)と針ノ木雪渓
   17 黒部平からロープウェイで到達する大観峰から見下ろす黒部湖
   18 大観峰から遙かに望む唐松岳(2696m)と五竜岳


       ② 立山黒部アルペンルート(大観峰~室堂~美女平)

今回の旅で最も悩んだのが衣類です。下界は15°~20°で室堂は5°となると寒暖両方の衣類が必要となり、このルートで不要な荷物は前もって宿泊地の富山への配送を依頼してあるので問題はないとしても、アルペンルートを通過する間は防寒衣料をリュックに詰め込んで背負うしかありません。こうして散々悩んだあげく苦労して運んだセーターや防寒コートが全く不要になったときは「またか」という思いに襲われました。室堂の実際の気温は7°ほどで、私にはベストと中厚のジャンパーで十分だったのです。まあ、天候の急変を考えればたとえ厄介な荷物になってもこれで良かったことは確かなのですが、いつもながらの異常体質には困らせられます。

室堂では結構雪が積もっていて歩き難かったですが、二度縦走したことのある一の越~雄山~大汝山~別山を一望できました。白一色の雪山に大きな魅力を感じる人々の気持ちも分かりますが、私はやはり緑の草木や青い湖水などの見られる季節が好きです。
 

弥陀ヶ原の散策は時間的に無理でしたが、剱岳の姿も眺めることができ僅かながら称名滝も視野に捉えることができました。徐行してくれた親切なバスドライバーに感謝するばかりです。



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   19 大観峰から雪を戴いた鹿島槍ヶ岳(2890m)            20 大観峰から、真下を関電トンネルが貫く赤沢岳(2678m)
   21 大観峰から、見下ろす黒部湖と立山ロープウェイ          22 室堂に到着した立山トンネルトロリーバス
   23 ホテル立山付近から眺める立山連峰                 24 立山玉殿の湧水
   25 国内最高所(2450m)に建つリゾートホテル、ホテル立山     26 立山連峰の最高峰大汝山と雄山、浄土山(2831m)
   27 晩秋の空の下に輝く立山連峰                28 別山の陰に顔をのぞかせるアルピニスト憧れの剣岳(2999m)
   29 日差しを受けて輝きを見せる別山とみくりが池             30 怪奇な伝説を秘める山上の湖、みくりが池
   31 室堂のトレッキングコースから見る奥大日岳(2611m)        32 立山連峰への登山基地、室堂山荘
   33 室堂山荘付近から見る立山連峰の主脈と一の越     34 立山連峰の最高峰大汝山(3015m)と信仰の山雄山(3003m)
   35 午後の日差しがまぶしい別山(2880m)                36 室堂平で最も人々の視線を集める立山主脈と一の越
 



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    37 美女平へのバスの車窓から、空を切り裂く峻峰剱岳        38 美女平へのバスの車窓から、僅かに捉えた称名滝
    39 立山ケーブルカー美女平駅                       40 美女平駅を出発する立山ケーブルカー
    41 ケーブルカーから富山行き電車に乗り換える立山駅        42 電鉄富山駅に到着した富山地方鉄道の電車
 


       ③ トロッコ電車と黒部峡谷

                                        

 黒部峡谷鉄道の路線(宇奈月~欅平) 
現在は観光地として名が知られている黒部ダムは、元々は関西地区の深刻な電力不足の解消を目的として建設されたものですが、険しいアルプスのまっただ中であるため資材を運ぶことが最大の難問でした。現在観光客を運ぶためにトロリーバスが走っているアルペンルートのトンネルもそのために造られたもので、いかに難工事だったかは映画「黒部の太陽」でも示されています。

アルペンルートのトンネルとは別に黒部川に沿って資材運搬も行われたのですが、こちらは大岩壁に刻まれた道があまりにも危険なため、のちにトロッコ軌道が建設されました。これが黒部峡谷鉄道の前身であり、のちに一般の人々にも開放されたのです。

トロッコ電車に乗るのは初めてでしたが、以前命の保証をしなかった頃と比べると車両も運行設備も随分と整備されたようです。ネット予約の際は迷いましたが、晩秋とあって窓なし車両は敬遠しました。ゆっくり走るので写真撮影には最適だったと言えます。

途中の紅葉はまだそれほど進んでいませんでしたが、欅平付近やその奥の猿飛峡まで入ると激しい黒部の流れと周辺の紅葉との対照的な景観は見応えがありました。宇奈月に戻って山彦橋を渡るトロッコ電車の撮影を済ませ、夕方の特急で最後の目的地白川郷の玄関口である高山に向かいました。
 



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    43 電鉄富山駅で発車を待つ富山地方鉄道の電車      44 富山地鉄から乗り換える黒部峡谷鉄道の始発駅宇奈月駅
    45 宇奈月駅から旧山彦橋への遊歩道             46 旧山彦橋から見下ろす黒部川
    47 宇奈月駅で待機する黒部峡谷鉄道の電気機関車    48 新山彦橋を渡るトロッコ電車から見下ろす旧山彦橋
    49 宇奈月ダムに架かる赤い湖面橋           50 湖上に浮かぶヨーロッパの古城をイメージした新柳河原発電所
    51 黒部峡谷鉄道欅平行きの長い13両編成の列車      52 トロッコ電車から眺める対岸の嘉々堂谷
    53 仏像に似た天然石“仏石”と、猿専用の吊り橋       54 コンクリートで固められた巨大な出し平ダムの堤防
    55 出し平付近の黒部川                   56 線路脇に設置されている冬季に作業人が通るための歩道トンネル
    57 猫又付近のまだ静かな黒部川の流れ              58 黒部川第二発電所
    59 まだ盛りには間がある紅葉の名所、錦繍関            60 鐘釣駅のホームから見る黒部の清流
 



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    61 終着駅欅平に到着した黒部峡谷鉄道のトロッコ電車        62 猿飛山荘付近から見る対岸の紅葉
    63 猿飛峡遊歩道入口から望むサンナビキ山方面            64 淡い色彩も魅力を感じさせる黒部の河畔
    65 岩が張り出す猿飛峡の遊歩道                     66 思わず引き込まれそうになる黒部の奥座敷
    67 あちこちで流れが渦巻く猿飛峡                     68 猿飛峡の最奥部
    69 落石事故防止のために設けられた遊歩道のトンネル         70 新山彦橋を渡る欅平行きのトロッコ電車
    71 欅平から到着するトロッコ電車                      72 富山駅発車直前の高山本線特急ひだ3号
 


       ④ 白川郷

一夜明けてこの日も快晴、世界遺産に指定された白川郷への期待を胸にバスに乗り込みました。風光明媚な場所に造られた野外博物館で合掌造りの成り立ちを知り、思いがけないことにシャトルバスで萩町の城跡展望台に行って白川郷の全貌を眺めることまでできたのです。その後は庄川の対岸の合掌造り集落を回りましたが、正直の所白川郷がこれほど観光地化しているとは知らず、秘境という感覚で訪れた私にはちょっぴりショックでした。これも時代の流れなのでしょう。



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     73 白川語への玄関口、JR高山駅                    74 白川郷の野外博物館、合掌造り民家園の正門
    75 中野長次郎家の主屋        76 山茂文四郎家の馬小屋         77 山茂文四郎家の唐臼小屋
    78 唐臼小屋の動力装置、ししおどし(鹿脅し)               79 山下陽明家の主屋
    80 マタダテ小屋(仮設住宅)の屋根葺き替えの実演          81 合掌造り民家園の盛りの紅葉
    82 民家園の火の見櫓          83 水車小屋          84 萩町城跡展望台から、白川郷の全景と遙かな白山



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    85 萩町で見かけた昔の素朴な日本の村を思わせる風景        86 庄川に架かる細い吊り橋、であい橋
    87 であい橋から振り返る紅葉の山                       88 秋葉神社の鳥居
    89 江戸時代後期の建築、民宿幸エ門                   90 稲田を前にする明善寺本堂と鐘楼門
    91 樹齢約300年を誇る明善寺のイチイの古木               92 絶妙のバランスを見せる神田家の合掌造り
    93 郷愁を誘うかつての日本の村そのものの再現              94 庄川の静かな水面と周辺の紅葉
    95 であい橋に群がる観光客                          96 高山へのバスの車窓から、快晴の空の下の紅葉
 


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   4 アルプスの展望台と飛騨の小京都を訪ねる旅 (08.9.17~9.20)

初日に乗鞍岳を歩くつもりで出掛けたのですが、日頃から事故の多発する都内中央線のトラブルで特急あずさが2時間遅れ、松本から宿泊先の平湯温泉までのバスに間に合わず、上高地回りで宿泊地の平湯にたどり着きました。

この旅は、前半は山を歩いたり眺めたり、そして後半は飛騨の小京都と呼ばれる高山をじっくり歩く計画でした。しかし、初日の狂いの影響から山歩きの方が半端なものになってしまい残念でした。もっとも、日本の南海上を台風13号がうろついていたことを考えれば、この程度で済んで良かったと思わなければならないかも知れません。
 


  千葉~(特急あずさ…事故で2時間遅れ)~松本~上高地~平湯(平湯プリンスホテル)~乗鞍畳平~肩の小屋~朝日岳~肩の小屋
~畳平~
平湯プリンスホテル~新穂高温泉~(新穂高ロープウェイ)~鍋平高原~しらかば平~西穂高展望台~鍋平高原~新穂高温泉
~平湯温泉~高山~飛騨大鍾乳洞~飛騨国分寺~
スパホテルアルピナ飛騨高山~飛騨の里~高山陣屋・朝市~桜山八幡宮
~山車会館~桜橋~高山~名古屋~東京~千葉
 


 


       ① 上高地~乗鞍岳~新穂高

初日の上高地は僅か40分の乗り継ぎ時間なのでバスターミナル付近の散策だけでしたが、5年振りに穂高連峰を眺められて幸運でした。翌朝は雨がポツポツ程度だったのであわよくばと登山の用意をしてホテルを出たのが正解で、バスが終点の乗鞍岳畳平に着く頃にはほとんどやんでくれたのです。しめたとばかり、思い切って主峰の剣ヶ峰を目指しました。肩の小屋まではよく整備された道をウキウキしながら歩いたのですが、剣ヶ峰の前衛朝日岳を登っている頃から天候が怪しくなり、標高差で50mほどを残して下山することにしました。残念と言えば残念ですが、全く諦めていた山歩きがこれだけ実現できたのは本当に嬉しいことでした。私が畳平に戻った直後から急に激しい雨が降り出したので、幸運だったと思います。

次の日は西穂高岳の独標あたりまで登る計画だったのですが、悪天候で無理と諦めて観光客スタイルで西穂高のロープウェイに身を任せることにしました。ところが、予想ほど天候は崩れず、ロープウェイの終点西穂高口の展望台では360°の展望を楽しむことができました。乗鞍に続いての幸運です。間近の西穂高岳はもちろん噴煙を上げる焼岳や裏銀座の山々に加え、槍ヶ岳もちょっぴり顔をのぞかせ、遙か彼方には加賀の名山白山も見えるという有様で、これ以上何も望むことはないくらいでした。
 












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     1 上高地への最大の難所だった釜トンネル                 2 バスの車窓から見る大正池と穂高の峰々
     3 梓川河畔の自然研究路と明神岳、河童橋                4 懐かしい穂高連峰縦走時の下山路、岳沢遠望
     5 乗鞍スカイライン、桔梗ヶ原付近の眺め                  6 乗鞍岳畳平から見る富士見岳方面
     7 畳平から主峰剣ヶ峰(3026m)への登山ルート              8 不消ヶ池と、摩利支天岳上の乗鞍コロナ観測所
     9 剣ヶ峰への登山路から望む摩利支天岳と不消ヶ池            10 富士見岳への登山口
    11 摩利支天岳の肩から、眼下に広がる雲海を見下ろす         12 富士見岳登山口から肩の小屋への道
    13 摩利支天岳の山腹に広がる緑のじゅうたん              14 分岐点に設置された肩の小屋への案内板
    15 肩の小屋への途中で見えた剣ヶ峰と朝日岳             16 肩の小屋付近から望む朝日岳~剣ヶ峰の稜線
    17 肩の小屋から望む朝日岳と剣ヶ峰                   18 朝日岳への登山路から見下ろす肩の小屋
 



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    19 朝日岳のガレ場から望む肩の小屋と畳平への道     20 朝日岳の山腹に広がる火山性の岩石とハイマツ
    21 朝日岳の山腹で                         22 乗鞍コロナ観測所の高さ(2872m)に達する
    23 新穂高ロープウェイの新穂高温泉駅             24 第一ロープウェイ鍋平高原駅
    25 第二ロープウェイしらかば平駅                 26 西穂高口の展望台から、高山盆地越しに望む遙かな白山
    27 展望台から望む焼岳の噴煙                 28 展望台から、特異な表情を見せる錫杖岳(2168m)
    29 展望台から望む端正なピラミッド型の笠ヶ岳(2898m)   30 展望台から、西穂高の先にかすかに穂先を見せる槍ヶ岳
     31 展望台から、ジャンダルム~西穂独標の稜線       32 展望台から、ジャンダルム~丸山の稜線
    33 展望台から見る西穂高の荒々しい稜線           34 展望台から、丸山~西穂山荘の稜線
    35 1828年に槍ヶ岳初登頂を果たした播隆上人の像
    36 オーストリア人のスキーインストラクター、クルッケンハウザー博士のレリーフ
 


       ② 飛騨の里、高山市内

乗鞍登山と新穂高でのパノラマ鑑賞のあとを高山の町歩きで過ごすことにし、新築直後のホテルに泊まりました。さすがに小京都と呼ばれるだけあって、高山の町はそこかしこに歴史を感じさせる建物があり、何となく懐かしい思いにさせられました。特に飛騨の里には子どもの頃疎開先で見たような風景が広がり、時間がゆったりと流れていました。残念だったのは、折角の雰囲気を台無しにするような某宗教施設の金ピカの建物が周囲を圧していたことです。本当に無神経で迷惑な存在です。

例によって15時半過ぎの特急の発車時刻までをフルに利用して歩き回り、市内の主な施設をくまなく回りました。昼食を摂る時間ももったいないので、あちこちで名物の(本物の)みたらし団子を食べて済ませました。遙か40年以上前に山から下りたあと、高山で食べた時の味が忘れられなかったので、今回も是非にと思っていたのです。

屋台会館に展示されているような豪華な山車が、高山祭の主役として12台も町中を練り歩く様はさぞ見栄えのするものでしょう。
 



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     37 飛騨大鍾乳洞、夢の宮殿                      38 飛騨大鍾乳洞、大仏の耳
     39 高山観光の足、さるぼぼバス                    40 飛騨の里、静けさに包まれた文学散歩道
     41 文学散歩道から望む高山市街と北アルプス方面       42 「花の百名山」を選んだ文人田中澄江の歌碑
     43 周辺の風景を映す「氷壁」の作者井上靖の歌碑        44 五箇山から移築した合掌造り飛騨合掌苑
     45 飛騨合掌苑屋根裏の木材と綱だけによる接合部       46 五阿弥池の先に広がる飛騨の里のたたずまい
     47 白川郷から移築した高さ15mの堂々たる旧西岡家(屋根裏は養蚕に使用した)
     48 明治時代に建てられた町屋風の民家、旧前田家
 



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     49 飛騨の里、昔の田舎を彷彿とさせる田園風景         50 飛騨の里を見守る匠神社の鳥居と鎮守の森と稲田
     51 飛騨地方唯一の三重塔、飛騨国分寺の三重塔       52 樹齢1250年以上の飛騨国分寺の大イチョウ
     53 本尊の薬師如来座像が安置される飛騨国分寺本堂     54 高山陣屋門前で毎日開かれる飛騨高山宮川朝市
     55 高山陣屋前に立つ江戸城無血入城の立役者山岡鉄舟の像 
     56 幕府直轄領の印、葵のご紋のある高山陣屋の玄関                 57 高山陣屋の御白洲
     58 京都の鴨川を模して整備された宮川に架かる京風の造りの中橋
     59 中橋から見下ろす緩やかな流れの宮川             60 高山の古い町並みによく似合う人力車
 



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     61 10代に及ぶ高山の豪商平田家の記念館           62 古い商人町の面影をとどめる上二之町
     63 出雲神話に登場するクシナダ姫の両親の像、足長づち(アシナヅチ)像  64は、手長づち(テナヅチ)像
     65 1700~1800年前に創建された桜山八幡宮(秋の大祭高山祭で知られる)
     66 桜山八幡宮の社殿                   67 飛騨の匠の精華高山祭の屋台を公開する高山屋台会館
     68 屋台会館の展示、大八台、宝珠台など             69 屋台会館の展示、雌雄の大亀が棟飾りの宝珠台
     70 桜や新緑の名所、江名子川に架かる桜橋            71 地味な造りのJR高山駅
     72 猿の赤ちゃんを模した高山名物、さるぼぼ人形
 


                                                                                         ページトップへ


   5 白馬岳周辺の山と安曇野の町を歩く旅 (10.10.21~10.23)

主目的は山歩きですが、天候の関係で初日は途中にある穂高の町を訪ねることにしてありました。結果的に、この旅が猛暑に妨げられたこの年唯一の山歩きとなってしまったのは残念ですが、予想外の素晴らしい展望を与えてくれたポイントもあったので総合評価は70点くらいでしょう。 


  千葉~(特急あずさ)~穂高~早春賦歌碑~大王わさび農場~穂高神社~穂高~信濃大町~神城~ペンション IL BOSCO
~神城~白馬五竜~アルプス平~地蔵ケルン~アルプス平~白馬五竜~神城~白馬~
白馬ロイヤルホテル~白馬~信濃森上~ノアの里~岩茸山~ノアの里~信濃森上~白馬~詩の小径~大出公園~白馬~信濃大町~松本~(特急あずさ)~千葉 


       ① 穂高町

穂高ではやはり大王わさび農場が見所のようです。規模も大きく色々な施設も充実していますが、何と言ってもわさびを育てる水が北アルプスの雪解け水とあって、水質が都会の水道とは比較になりません。また、あちこちにひっそりとたたずむ道祖神もその素朴さには印象深いものがあります。 












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    1 千葉駅8番線の南小谷行き特急あずさ3号             2 穂高駅前ロータリーのしだれ柳
     3 大糸線穂高駅の駅舎          4 穂高駅前ロータリーの登頂の像            5 碌山美術館
    6 早春賦の碑                               7 小雨そぼ降る水色の時道祖神
    8 万水川(ヨロズイガワ)の水面で遊ぶ水鳥               9 水底までよく見える万水川
   10 大王わさび農場の入口          11 わさび田とわさびの石像          12 カーブを描くわさび田
   13 東光寺門前の大下駄          14 東光寺本堂                15 穂高神社の鳥居
   16 穂高神社の大ケヤキ           17 塩の道道祖神                18 ものぐさ太郎のレリーフ
 


       ② 神城、白馬五竜

 


神城の宿は森の中にあるイタリアンディナーが売り物のペンションで、時折クマも出没するということでした。この夜の宿泊客は私だけで、オーナーと色々な話で盛り上がり楽しい一夜になりました。翌日は鹿島槍ヶ岳や五竜岳のビューポイントである小遠見山までのトレッキングを考えていたのですが、予報とは違い天候が好転せず厚い雲で視界が得られないため、やむを得ずアルプス平を地蔵ケルンまで登って様子を見ることにしたのです。しかし、周囲はほぼ完全にガスに包まれ晴れる気配もないまま時間だけが過ぎ、周辺にクマの糞らしいものまで見かけるので、諦めて自然遊歩道経由で戻ることにしました。

この旅のメインであるこの日のトレッキングがこのような消化不良に終わったのは非常に残念ですが、清涼な山の空気を独り占めできただけでも満足しなければならないでしょう。まさか、おまけのつもりでプランに加えた翌日の岩茸山がそれを帳消しにしてくれるとは、予想すらできませんでした。
 



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     19 神城駅からエスカルプラザへの道          20 エスカルプラザ            21 テレキャビン(ゴンドラ)とおみ駅
     22 雲の中をさ迷うテレキャビン               23 白馬五竜アルプス平の標柱     24 霞むアルプス平の上部
      25 地蔵の頭の標柱                         26 地蔵ケルン(1673m)
     27 アルプス平の自然遊歩道、クマザサに囲まれた地蔵の沼へのルート
     28 アルプス平の休憩所とクマよけの鐘       29 地蔵の沼         30 地蔵の沼の岸辺を飾る紅葉と白い樹木
     31 地蔵の沼からアルプス平への道                  32 花期を過ぎた故山植物園、ヤマハハコ
      33 テレキャビン、アルプス平駅                     34 ゴンドラから見る濃淡入り交じる紅葉
      35 白馬五竜スキー場とテレキャビン                 36 大糸線神城駅の駅舎とホーム
 


       ③ 白馬~岩茸山

 


白馬のホテルから始まったこの日は、先ず快晴の空に聳える五竜岳や白馬連峰に目が釘付けになりました。これは絶好の日とばかり早朝の電車で信濃森上に向かったのですが、駅からロープウェイまでの30分強の歩きはどっしりした構えの五竜岳を正面から眺めながらの素晴らしいものでした。岩茸山がスキーで有名な場所だということは知っていましたが、実際にそこに立つまではこれほど展望の開けた場所だとは知らず、本当に想像以上でした。南は爺ヶ岳から鹿島槍ヶ岳、そして唐松岳から白馬三山、更に小蓮華山以北の連峰北部に至るまで遮るものもなく目に飛び込んでくるのは、残念だった前日とは天地の差に感じられて、買い物にたとえればおまけの方が本体より遙かに素晴らしかったというようなものです。

40年以上前に八方尾根から入って白馬連峰を縦走したとき、当時はさほどの危険も感じずに通過した不帰の𡸴がかなりの難所であることを遙かに目にして、「よくあんな所を無事に・・・」と怖いもの知らずだった若い頃が懐かしく思い出されました。
 


 


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    37 大糸線白馬駅                           38 懐かしい旧駅名「信濃四ッ谷」の銘板
    39 信濃森上駅から望む五竜岳(2814m)             40 沿道の民家前に鎮座する道祖神
    41 岩岳への道から望む唐松岳~天狗の頭            42 岩岳への道から望む威風堂々とした五竜岳
     43 岩茸山へのゴンドラリフト「ノアの里」駅
    44 「ノアの山」駅付近から望む鹿島槍ヶ岳(2889m)、五竜岳、八方尾根、唐松岳(2696m)
    45 岩茸山から望む鹿島槍ヶ岳、五竜岳、八方尾根      46 岩茸山から望む五竜岳、唐松岳、不帰ノ𡸴、天狗の頭
    47 岩茸山から望む白馬鑓ヶ岳、杓子岳、白馬本峰(2932m) 
    48 岩茸山から見下ろす猿倉、白馬大雪渓方面
 



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    49 秋色の岩茸山から望む白馬三山と三国境、小蓮華山       50 クマザサの岩茸山から杓子岳と白馬白馬本峰
    51 クマザサの岩茸山から白馬本峰と~小蓮華山             52 クマザサの岩茸山から小蓮華山~白馬大池
    53 岩茸山から見る杓子岳、白馬本峰~三国境             54 岩茸山から秋の白馬鑓ヶ岳と杓子岳
    55 ノアの山駅付近から望む鹿島槍ヶ岳            56 ノアの山駅付近から望む白馬連峰最大の難所、不帰の𡸴
    57 岩茸山に広がるねずこの森                  58 色づきかけたねずこの森と彼方の不帰の𡸴
    59 ねずこの森に設けられたハンモックと幸せの鐘        60 大糸線信濃森上駅の駅舎
 


       ④ 白馬~松本


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     61 白馬、「何もない贅沢」を感じさせる詩の小道         62 詩の小道が木流川を渡る木橋
     63 石のベンチが設けられた春木橋      64 詩の小道を取り巻くのどかな風景       65 投稿された川柳の木札
     66 姫川と大出の吊り橋                       67 大出公園の展望台から眺める白馬三山
     68 大出公園の展望台から眺める白馬連峰           69 大出の吊り橋
     70 白馬駅北端の踏切から見る糸魚川方面           71 簗場付近の車窓から見る仁科三湖の一つ青木湖
     72 松本駅ホームの千葉行き特急あずさ30号
 


                                                                                        
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   6 信州中部の二つの山を歩く旅 (12.7.26~7.27)

  千葉~(特急あずさ)~富士見~山麓駅~山頂駅~入笠山~山頂駅~山麓駅~富士見~茅野~ちのステーションホテル~茅野
~車山高原~車山~車山乗越~蝶々深山~物見岩~奥霧の小屋~鎌ヶ池~八島ヶ原~御射山~沢渡~車山肩~茅野
~(特急あずさ)~千葉
 


       ① 入笠山

梅雨明け前に山歩きを予定しながら実際には最も避けたい猛暑の時期になってしまい、暑さに極端に弱いだけに辛かったです。平日のため富士見駅からのバスがなくやむを得ずタクシーで山麓まで行き、中腹までロープウェイを利用したあと山頂に登って遮るもののない見晴らしを楽しめました。この夜は茅野に泊まり、翌日の霧ヶ峰歩きに備えました。中央線を挟むこの二つの山は、このように比較的容易に訪れることができます。 


 







 




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     1 千葉駅発車直前の特急あずさ3号南小谷行き        2 中央本線初狩付近の高架鉄橋から見下ろす沿線の民家
     3 富士見パノラマゴンドラ“すずらん”の山麓駅           4 富士見パノラマゴンドラから見る南八ヶ岳の山並み
     5 山頂駅付近から見る北八ヶ岳と富士見高原    6 ニホンジカの侵入を防ぐ目的で入笠湿原入口に設置された防護柵
     7 入笠湿原への入口に架かる小橋                8 入笠湿原に咲くやや盛りを過ぎたノハナショウブ
     9 入笠湿原の木道とその先に建つ山彦荘           10 湿原を見下ろす位置に建てられている山彦荘
    11 入笠山山頂への登り口前に建つマナスル山荘       12 湿原の植生保護のために設けられた防護柵
 



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     13 傾斜はきついが、歩き易くなった山頂間近の登山路       14 入笠山の山頂でしばしの休息を楽しむ人々
      15 快晴で見晴らしの良い入笠山(1955m)の山頂         16 入笠山の山頂から、夏雲のかかる南八ヶ岳連峰
     17 入笠山の山頂から、遙かな木曽駒ヶ岳、御嶽方面       18 入笠山の山頂から見る霧ヶ峰、蓼科山、北八ヶ岳方面
     19 涼やかな山の湧き水にホッと一息                  20 入笠牧場で昼食中の牛の群れ
     21 汗みどろで戻った緑の入笠湿原                 22 富士見パノラマゴンドラ頂上駅への森を抜ける道
     23 森に咲くオオバセンキョウ                      24 ゴンドラ山麓駅そばのクロユリ
 


 
       ② 霧ヶ峰高原

 


10年前に歩いたときとは逆のルートをとって高原の隅々まで歩きましたが、やはり83歳の身にはかなりきつい場所もあって骨が折れました。何よりも霧ヶ峰にはほとんど日陰がないことが問題で、前日の入笠山に加えての日焼けで真っ黒になってしまい、その上、この2日間は下界での35°の猛暑のせいもあり山上での涼しさを期待しても無理だったのです。

実は、このとき今までにないきつさを感じたのはヘルニアの初期症状のためだったのです。その後病状が進行したため、10月下旬に入院手術ということになりました。山歩きが続けられると分かって安心しました。
 



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     25 JR中央本線茅野駅                       26 バスの車窓から見る白樺湖と八子ヶ峰
     27 リフト頂上駅から見る車山山頂の気象観測ドーム
     28 トレッキングルートから見る蓼科山(2531m)、北横岳(2480m)方面
     29 電気柵で守られたニッコウキスゲの群落        30 車山乗越、蝶々深山、物見岩経由で八島湿原へと向かう道
     31 車山乗越に到着                           32 車山乗越付近の木道から見る蝶々深山
     33 車山乗越付近に咲くシモツケソウ               34 蝶々深山への登り道から僅かにのぞく蓼科山の山頂
     35 岩石が散らばる広く平坦な蝶々深山の頂上        36 蝶々深山から物見岩への道
      37 物見岩の手前から見る八島ヶ原方面            38 間近に姿を現した奇怪な風貌の物見岩
      39 あたりを睥睨する物見岩の首領                40 物見岩から見下ろす八島湿原と奥霧の小屋
      41 霧ヶ峰の夏を謳歌するような伸びやかな樹木        42 夏雲があちこちに浮かぶ快晴の霧ヶ峰
 



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     43 奥霧の小屋前から見る八島ヶ原                 44 奥霧の小屋前に立つ「山小屋の灯」の歌碑
     45 現在は休業中の奥霧の小屋                   46 木道から見る鎌ヶ池
      47 木道沿いに咲くシシウドの大群落                  48 ビジターセンター近くで見る八島ヶ池
     49 八島ヶ池の岸辺に咲くシシウド                  50 空模様が怪しくなった八島湿原
     51 八島湿原に咲くノハナショウブ         52 八島湿原に咲くシナノオトギリ           53 色の淡いヤナギラン
     54 八島湿原の木道に設けられた防護柵      55 御射山ヒュッテ    56 湿原からの流れが涼しげな沢渡に到着
     57 足場が悪く結構急な登り道                     58 車山肩から振り返る遙かな八島ヶ原方面
     59 車山肩近くの路傍にあでやかに咲くカワラナデシコ       60 車山肩に建てられたキスゲを讃える歌碑
 


                                                                                         ページトップへ


   7 白馬連峰中腹の尾根と湿原を歩く旅 (03.10.3~10.4)

  千葉~東京~新宿~(特急あずさ)~白馬~八方~兎平~黒菱平~第1ケルン~第2ケルン~八方池~第2ケルン~第1ケルン~黒菱平~兎平~八方~フォルクローロ白馬~栂池高原~栂の森~栂大門~栂池自然園~風穴~楠川~浮島湿原~モウセン池~展望湿原
2020m休憩所~浮島湿原~楠川~ワタスゲ湿原~ミズバショウ湿原~栂池自然園~栂大門~栂の森~栂池高原
~白馬~(特急あずさ)~新宿~千葉 


       ① 八方尾根

 


早朝の千葉発あずさを利用しても、白馬に到着するのは正午近くになってしまいます。時間的には少しきついですが、36年前の白馬連峰縦走時の取り付き点である八方尾根を目指しました。せめて八方池まではと頑張ったせいか心配された雨にも見舞われず、不帰の𡸴も渋々ながら姿を見せてくれてしばし懐かしい想い出に耽ることができました。この夜は白馬駅2階のホテルに泊まり、翌日の栂池歩きに備えました。 


 











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     1 早朝の白馬の町                         2 ゴンドラから、朝の安曇野と八方尾根の紅葉
     3 八方池山荘上の八方尾根登山路入口           4 よく整備された八方尾根のトレッキングコース
     5 安曇野から湧き上がる薄雲             6 ゆるい傾斜の木道            7 木道から見下ろす安曇野
     8 登山道付近の紅葉                       9 紅葉の先に姿を見せた連峰の一角
     10 八方山ケルン付近の黄葉                  11 八方山ケルン付近から望む不帰の𡸴
    12 第3ケルン付近で                         13 海抜2060mの八方池
    14 いかにも怖ろしげな不帰の𡸴          15 唐松岳への分岐           16 八方山ケルンと不帰の𡸴
    17 唐松岳山頂への道                      18 第2ケルン付近の下りコース
 


      ② 栂池高原

 


栂池も、白馬連峰を縦走したあと最後に(白馬)乗鞍岳のゴロゴロと岩の積み重なった下山路を経てやっとたどり着いた所です。当時はまだ自然園はなく、神の田圃などの湿原を通って遙かな下界まで歩くしか方法はありませんでした。

今回はあいにく時折霧雨の降る中を歩くことになりました。2010m展望台からの下りで若い女性が濡れた木道で脚を滑らせて転倒し大腿骨を折ってしまいました。たまたま近くにいた私が携帯電話で事務所に連絡して救急隊を呼び、思わぬ人助けになりました。しかし、山は登りよりも下りが危険、特に濡れたコースはこうした事故を招き易いものだというくらいの常識は必要です。
 



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     19 栂池自然園入口               20 霧の展望湿原                21 風穴
     22 モウセン池                  23 2010m展望台への登り口       24 2010m展望台付近
     25 浮島湿原と小蓮華岳                    26 競い咲くミズバショウを愛でる人々
     27 リュウキンカの群落              28 ワタスゲ湿原の木道
     29 楠川の流れ                  30 ゴンドラから、名残惜しい白馬本峰
 


かつての「信濃四ッ谷」という山懐を偲ばせた駅名が「白馬(ハクバ)」という現代的だが軽い名前に変わったのはもうかなり前ですが、若者や女性をターゲットとする時代の流れからやむを得ないかも知れません。しかし、山の名前まで安易に変えてしまうのはどうかと思います。それぞれにいわれがあるのですから。

最近はアナウンサーはおろか現地の人々の中にも白馬岳、白馬連峰を「ハクバダケ」「ハクバレンポウ」と呼ぶ人が増えているようですが、白馬岳は「シロウマダケ」、白馬鑓ヶ岳は「シロウマヤリガタケ」が本来の呼び名です。白馬とは春先に残雪によって山腹に“代かき馬”の姿が現れることに由来しています。白馬は決して王子様が乗る白馬ではないのです。このようにいつまでも「シロウマ」と呼ぶ頑固な私は、政府主導の合併で生まれた味も素っ気もない市町村名や合併企業のボンドで接着したような名称にも呆れています。いったい花鳥風月に敏感だった日本人はどこに消えてしまったのでしょうか?「たかが地名」という見方をする人もいるでしょうが、安易に変えてしまうのはそれぞれが辿ってきた長い歴史を踏みにじる行為と言うしかありません。
 



                                                                                         
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